本物の桧柱

これが本物の桧の柱です。
10/14の投稿と比較してください。写真右側の柱は、主に和室に使用します。ほとんど節がないのがわかります。節というのは生えている木の枝の部分です。成長する過程で枝打ち(細い枝を取ってしまう作業)をして、製材して柱にするときに節が出現しないように育てた木材(桧)です。
写真左側の柱は、見えない部分、つまり大壁(洋室)に使用する柱です。もちろん何の手も加えずに育てたわけではありませんが、節のある柱はあまり和室の見える部分には使用しません。
一般的には、大壁の柱には杉材を使用することが主流です。それは価格の面で桧より安価であるからです。見える部分に予算をかけ、見えない部分は強度重視でなるべく安価なものを使いましょうということです。
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次の写真はまさに本物の証です。目の細かい年輪が見て取れます。この柱に成長するまでいったい何年かかったのでしょうか?素晴らしい素材です。
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下部から割れているように見えるのは、背割りと言います。何故背割りするのかと言いますと、それは割れがその背割り部分に集中して他の部分には割れがいかないからです。つまり和室の中は綺麗な柱が見えていてその裏の壁の中は割れがしこたま入っていても見えませんから。木材の割れと言うのは木材の収縮のひずみのことです。単純な例で言うと生木が乾燥して表面が収縮しても内部までは乾燥していなければ、内部は収縮しませんから木材の表面は割れにより帳尻を合わそうとします。背割り柱の件ですがこれはすべて国産の桧なり杉などの真ん中に芯を持った柱のことですが、この芯持ちの材の場合は必ず割れます。「じっくり乾燥させたら全体に収縮して割れないのでないか?」と一般の方は素朴な疑問をお持ちになろうかと思いますが、これが必ず割れるのです。理由は「木材の柾目(木の半径方向)は一般的に2%ぐらい乾燥収縮しますが、板目(木材の 接線方向)はその2倍の4%ぐらい乾燥収縮するからです」それを最小限に回避するための背割りなのです。しかし強度に支障はありません。
本物のと特性を理解し、木造建築の適材適所を見極めて使うことが大工の知恵と技、そして材木屋としての目利きとプライドです。


posted by 桧松 杉造 (ヒノマツ スギゾウ) at 11:12千葉 ☁Comment(0)TrackBack(0)仕事

伝統を守る

熱海銀座通りの中ほどに、伝統ある木造建築のお店を発見しました。ご商売は羊羹・和菓子のようです。
「京都から宮大工さんをお招きし、約2年半の歳月をかけて、昭和22年後半に現在の宮造りの店舗が完成致しました。当時、熟練の技術をもった宮大工さんが、はるばる熱海までお越し頂けたのは、熱海が日本有数の温泉地であり、環境が良いこと、そして、初代鶴吉の妻まさの実家が農家であったため、食べる物には困らない環境だったから、と伝えられております。
当時を振り返ると、戦後まもない時期にも関わらず、宮造りの店舗を建築することは、だいそれた計画でありました。しかしながら、当店の菩提寺から優秀な宮大工さんをご紹介いただいた事で、建築が可能となり、建設中の宮大工さんの滞在先は、ご近所の旅館さんでありました。このように、当店舗は、地元の皆様のお力添えなしには、完成し得なかったものであります」とホームページから引用いたしまた。
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その建築の技術の素晴らしさには感動すら覚えます。伝統の息づく木造建築。私たちはその素晴らしさを未来につなぐ役目を負っています。何とかして現在の木造建築もどきからの脱却を目指す所存です。

熱海の旅

伊豆の名所、熱海に行ってまいりました。
土曜日の午後、大勢の観光客が駅周辺を埋め尽くす中、駅舎右手に「ホッと一息」の足湯があり、皆さんが温まる光景に温泉に来た気分を高揚させてくれます。
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聳え立つ山並みと相模湾。過去には、「東洋のモナコ」何て呼ばれた時代もありました。もし熱海が大都市だとしたら、プチ香港でしょうか。熱海城からの一枚、本当に素晴らしい景色です。夜景はもっと素晴らしいとのことですが、今回は昼間の写真で失礼。熱海城も改修され、漆喰の白壁がまぶしいばかりでした。
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posted by 桧松 杉造 (ヒノマツ スギゾウ) at 12:10千葉 ☀Comment(0)TrackBack(0)日記